ASDの戯言

40代でASD診断された技術者サラリーマン。生きにくさの記録。

  初老アスペ(ASD)エンジニアの家族・職場などの環境を含めた過去と未来の見通し。



学術論文の採録・掲載の流れ3

審査基準などは学会等のWebページで公開されていますが、まあ漠然としてますね。

査読者への査読方針などは非公開なので書けませんけど学術誌の品質を保つためにかなり厳しい審査を求められます。

 

これも後日に挙げるつもりですが引退した研究者を生業としていた時代のお話しです。もとろん査読側にも携わっていました。ボランティアなので時間を持っていかれるのがしんどいですね。定常的に年に5,6本。自分の関連分野の発表会や学術誌の特集があったときはさらに倍増します。
タイトルおよび前書きとかあらましに相当するSummary部分と一緒にこれを査読してくれないか?という依頼がメールで来ます。同じ分野の知り合いだったり、学会の査読者データベースから検索されて依頼される場合もありますね。
下っ端研究者では基本的に引き受けます。研究統括や教授レベルになると忙しくて受けられないとか知り合いにパスします。
サマリの内容からどうしても受けられないときは、適任者を1,2人挙げて断りメールを出します。編集者側が査読者探索で結果が無しにならないような仕組みになっています。
あまりにも奇抜な内容すぎたりすると査読者が見つからないときがあって困ることがありますけど。
自分も投稿するときには名前の知れない研究者や企業の技術者が時間を取ってくれているので持ちつ持たれつです。

 

電子回路関係だと揺るぎようのない理論があり、動作というものが大体わかっています。生物や生理学のように実験的な結果の論文と違って、言葉は悪いですが提案されている回路方式に対するシミュレーション結果なりのウソか本当かが大体わかります。その動作を理解するのが英語だというのと自己中心的に書かれているので読み解くのに時間と精神力を使いますけどね。

随分前に世間で話題になった再生医療のような分野では実験の「再現性」が重要です。そちら側の査読の指針はわかりません。論文として公開されれば同じ分野の研究者が「追試」を行います。前提条件やレシピのような実験過程の操作法を論文に書いていなくても追試をする研究者から問われます。誰がやってもその通りやれば同じ現象が起こらなければいけません。そこで再現できないと騒ぎになります。。。

 

あと一回くらいつづく。



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