ASDの戯言

40代でASD診断された技術者サラリーマン。生きにくさの記録。

  初老アスペ(ASD)エンジニアの家族・職場などの環境を含めた過去と未来の見通し。



学術論文の採録・掲載の流れ1

学術論文が重要な世界があることは分かってきていただいたでしょうか。
お話ししたように投稿すれば掲載される訳ではありません。

基本的な流れです。

 

誰が載せるか載せないかを決めているか?

編集者、さらに編集者任命された専門家である査読者(レビュアー、レフリーとも言う)複数人に審査してもらいます。つまり、内容の新規性、有用性、信頼性などの項目別に点数をつけ(レーティング)、さらにその判断根拠のコメントをもらいます。編集者はその結果を見て載せる価値なしと判断すれば不受理(リジェクト)、OKであれば受理(アクセプト)となります。
もちろん一発OKなどということはほとんどありません。査読者からの追加データ要求や新規性の原理の追加説明などを求められます。条件付き採録として保留状態にして、査読者がコメントした、この条件をクリアすれば採録するよ!という注文リストを投稿者に結果および修正要求を投稿者に返します。

 

どれくらいの回数やるのか?

このやり取りが1回~何回でもというのは、特集号や研究発表会の予稿集査読などで期限が決まっている場合は1回きりという場合が多いです。一般投稿の場合は発行が月ごとのものが多いのでいつの号に載せても良く、延々と査読が続く場合があります。外国の学会や雑誌に多いですね。

分野によって査読期間はいろいろで、ダイジェスト的な電子版ジャーナルでは2週間、数学の証明の投稿なとは5年とか平気でかかります。

 

査読者のやることは?
この段階ではもちろん秘密裏に行われます。リジェクトして得た投稿者の研究内容を外部に漏らしたりしてはいけません。

査読者はネイチャーやサイエンスにしろボランティアが基本で匿名性が守られます。
大きな学会の査読者は名誉なことです。学会や発表の会議によっては、貢献した名目で査読者リストをつけるところもあります。
責任も重大です。教科書に載っていない提案や結果をまとめた投稿原稿に対して新規性、有用性、信頼性を判断しなければいけません。原稿に挙げてある参考文献はとりあえず全部見ます。引用の仕方もレーティングの対象になっている場合もあります。

 

つづく。

 



スポンサーリンク