ASDの戯言

40代でASD診断された技術者サラリーマン。生きにくさの記録。

  初老アスペ(ASD)エンジニアの家族・職場などの環境を含めた過去と未来の見通し。



理系ASDの素朴な疑問

この国を左右に分けたとき、6年間くらい反対側に居たときのお話し。

10年くらい前ですね。お安いレジャーとして住宅展示場に行くことが多かったです。

既に持ち家を賃貸として成り行きで資産運用している身でしたので、家を買うことはまずありえなかったのですが、名前や電話番号をアンケート用紙に書いてしまうと営業さんからの電話が連日のように鳴ります。

あるハウスメーカーさんの工場兼展示場みたいなところへ県を3つまたいでバスで行くことに。あのころは心身共に元気でした。。。

3.11の後の時期で、高層ビルには取り入れられている、耐震ではなく免震の技術を住宅に取り入れた実験施設を見学・体験できるという、おそらく私の好奇心で参加したと思います。

原理は簡単、実現が難しいというのは科学の常でして、要は家本体を基礎から浮かせた状態で免震するといった「慣性の法則」を利用したものです。

家本体は基礎にくっついてないといけませんので、家を支えられるくらいの大きなゴム10個くらいでつなぎとめるというものでした。免震効果を増すために揺れる基礎(地表)と家の底との間に簡単に言うとボールを挟むというのが売りの技術のようでした。流行は過ぎ去りましたがハンドスピナーみたいな構造を回転方向でなく、前後左右に取り入れた感じですかね。

防災訓練の一環として小学校などに来る地震体験ができる起震車をさらに大型化したような施設でした。3.11直後くらいだったので阪神淡路の揺れのデータだけで体験させて頂きました。主要動の最初の大きな揺れだけはゴム部分が家本体を引っ張ってしまいますがそれでも地表面の半分くらい、その後は家本体の揺れ振幅は小さくなります。30人くらいのツアー?でしたので全員体験するのに結構時間がかかります。

原理部分の現象を見ることも可能。ボールの部分は実際はもう少し複雑で、床から四角錘状の金属棒が伸びて、基礎部分の鉄板との間を転がる小さな鉄球が取り付けられていました。イメージするならボールペンみたいな感じですかね。免震しているときの家全体の重量を支える役目ですかね。ゴム部は外周、ボールペン部は内側に配置されています。

3行ぐらいでオチをつけるつもりが既に900字超え汗

理系ASDは思います。地震て縦揺れもあるよね?

この機構では縦揺れを吸収できない。

各地方の住宅展示場から集まった見学者たちへの説明、質疑応答時にはさすがに黙ってました。

ただ、最後素の工場兼施設を離れるときに自分の地域の担当の方とお話ししました。

自分「免震と支える技術を見事に実現していますね」

担当「ありがとうございます。他社にはできない構造をいち早く取り入れまして」

自分「最初の大きな揺れだけは抑えられないんですね?」

担当「構造とコストから現実的な施工を考えています。でも、最初の揺れも十分抑えられる技術と当社では考えています。実際、ご体験されて立っていられないとはお感じではなかったのではないでしょうか?」

自分「そうですね。別の機会で起震車で体験したときは本当に立っていられませんでした」

ここから。。。

自分「ところで、先日の震災のときは本震でも縦揺れもひどかったとか。この構造だと、平面方向の免震はできますが上下方向の免震はどのように実現されるのでしょうか?あと、基礎側の板部分がアルミ板だったようですけどひしゃげちゃったりしないんですか?」

担当「そ、それは。。。ちょっと私、詳しくないんで技術のものに聞いてきます」

想定問答になかったようで明確な答えは返ってきませんでした。

その後、そのハウスメーカーから電話もかかってくることはありませんでした笑

 

私の専門は他記事でも言っているように電子工学です。でも理系一般の知識はあり、高校レベルの古典力学の知見はあります。自分の例を取っても提案技術に短所もあります。当時、おいおい、そんなところまで聞くのかよって空気になっていましたが、売り物だし、人命かかってるし、と思った訳です。面倒なヤツだと見られたのでしょうねぇ

 

実は、先がというか中間があります。が今日はここまで。

 

では。



スポンサーリンク